man#3

ラスト・エグジット(紙ジャケット仕様)

ラスト・エグジット(紙ジャケット仕様)

150■Blind Man / Traffic
第1期トラフィック解散直後に出た「Last Exit」('69)は、3枚目のアルバムですが、契約を消化するためにリリースされた未発表曲を集めたコンピレーションです*1。何故かデイヴ・メイスンのソロシングルの"Just For You"も入ってますが、それ以外はおそらく残りの3人(スティーヴ・ウィンウッド(g,b,org,vo)、ジム・キャパルディ(ds,vo)、クリス・ウッド(sax,fl,org,vo))で録音されたものが中心でしょう。Island Remasterとして英Islandがトラフィックのオリジナル・アイテムをリマスターして再CD化した際に、このアルバムのA面のスタジオ録音曲は、ボーナストラックとしてそれ以前のアルバムに加えられてしまったので、ハッキリ言ってこのアルバムの価値はあまりないのです。回収された幻のライヴ盤の音源を含むライヴのコンピレーションが出て、それにB面のフィルモア・ウエストでのライヴ('68)が入るものだと信じていましたが、その気配はありません。
そのライヴ2曲は、長尺のカヴァーでジャム的な性格の濃いものです。ボビー・ブランドの"Blind Man"は、録音レヴェルすら怪しく不安定なものですが、モッド・ジャズ的なムードもあります。一方10分を超える"Feelin' Good"は、"Goldfinger"を書いたレズリー・ブリカッセという人の作品で、ミュージカル「The Roar of the Greasepaint−The Smell of the Crowd」の中のナンバーとか。サミー・デイヴィス・Jr、ジョン・コルトレーンニーナ・シモンなんかが取り上げているジャズ系のナンバーですが、ホワイトブルーズ・ロックのジェリーブレッド*2もやってた記憶があります。

トリオでの演奏@Goodbye Again
第1期トラフィックの解散は、メイスンの2度目の脱退が引き金となっていますが、「Last Exit」がリリースされた時点で、ウィンウッドは、クラプトン、ジンジャー・ベイカーのクリーム組とリック・グレッチを加えたブラインド・フェイスのレコーディングに入っており、マネージメント主導のこのスーパー・グループは、半年もたずに解散してしまいます。

*1:クリームの「Goodbye」を意識したという話もありました

*2:ピート・ウィングフィールド(kb)が在籍していました