steel#2

Fundamental Roll / Not Shy

Fundamental Roll / Not Shy

171■Magnet And Steel / Walter Egan
ウォルター・イーガンの最大のヒットは78年のこの"Magnet And Steel"(#8)です。グラム・パーソンズが遺作となった「Grievous Angels」('74)でとりあげた"Hearts On Fire"の作者はてっきり別の人だと思っていたのですが、同じ人でした。77年にPolydorから「Fundamental Roll」でデビューしましたが、そちらはフリートウッド・マックリンジー・バッキンガムがコ・プロデューサーとしてクレジットされていました。すティーヴィー・ニックスの妖艶なコーラスで始まる"Magnet And Steel"の魅力はスティーヴィーなしでは語れませんが、これが入った「Not Shy」はリンジーとマックのエンジニアのリチャード・ダシュートのプロデュースです。

映画「ブギー・ナイツ」でも印象的に使われていました。

アメリカでブレイクしたこの時期のマックは、積極的にツアーを行う一方、オフにはメンバーの対外セッションも数多く残されています。演奏やコーラスで参加というパターンも多く、アルバム全体で深くかかわることもありました。
ティーリー・ダンの初期のvo、デイヴィッド・パーマーが結成した(ビッグ)・ワ・クー(Big Wah Koo)のメンバーだったダニー・ドゥーマの「Night Eyes」('79,Warner Bros)には、スティーヴィー以外の4人が参加。クラプトンやガース・ハドスンも加わっているAOR色の濃い1枚です。

Night Eyes

Night Eyes

Warnerからのアルバムが名盤探検隊シリーズで出たこともあるターリー・リチャーズの4枚目「Therfu」('80,Atlantic)にはミック・フリートウッド、前メンバーのボブ・ウエルチ*1、ウエルチのバンドのトッド・シャープ(g)が参加しています。
イギリス人だと初めて知ったロビー・パットンは、マックのツアーの前座で回った関係から、クリスティン・マクヴィーがプロデュースした81年のファースト「Distant Shore」(Liberty)にはリンジー、元メンバーのボブ・ウエストン(g)も参加しています。ここからシングル・カットされた"Don't Give Up"は日本のフュージョン・バンド、パラシュートもカヴァーしていたらしいです。83年の"Smiling Island"はスティーヴィー・ニックスがコーラスで参加しています。またマックの「Mirage」の中のヒット、"Hold Me"はクリスティンとパットンの共作です。
Distant Shores

Distant Shores

*1:初ソロ「French Kiss」には、ジョン・マクヴィー以外の4人が参加