down#2

City to City

City to City

185■Right Down The Line / Gerry Rafferty
ジョン・パトリック・バーンの独特タッチのイラストによるジャケットが印象的なジェリー・ラファティーの77年作「City To City」(UA)は忘れられない1枚。当時ヒットチャート(あの頃は「キャッシュ・ボックス」誌だった)を熱心に追いかけてた身としては、いきなり#1になった"Baker Street"(印象的なsaxのブロウはあるけど実は冗長気味でむしろ霧夜を切り裂く様なトミー・アイアーによるsynのイントロの方が印象に残ります)での鮮やかな登場ぶりからして、この人だれ??って感じでした。すでにラファティーが参加していたステイラーズ・ホイールは廃盤になって久しかったです。
このアルバムのプロデュースは、ヒュー・バーンズで日本盤LPのライナーには何も触れられていませんでしたが、バックにはなかなかシブい人たちが参加しています。クラプトン・バンドに加わった、ヘンリー・スピネッティ(ds)とゲイリー・テイラー(b)は元ハードの人。クラプトンつながりでは近年までクラプトン・バンドのサイドgを弾いていたのが、元エーメン・コーナーのアンディー・フェアウエザー・ロウ(g)、グリース・バンドをはじめセッション無数のトミー・アイアー(kb)とB・J・コール(steel)。バックドアのグラハム・プレスキット(vn)、オリンピック・ランナーズのグレン・ル・フラー(perc)、スナフーのミッキー・ムーディー(g)etc・・・ 
その"Baker"に隠れがちだけど、2枚目のシングルとしてカットされたのが"Right Down The Line"です。レゲエ風のリズムを隠し味に、steelがメロディーを奏でるイントロはメロディアスでかゆい所に手が届く感じです。前述のバックは主に英フォークロック系の人たちですが、ラファティーの音楽はフォークロックやビートルズ(スコットランドのポール・マッカートニーとはよく言われるフレーズです)にルーツを置きながら、ぐっとアップトゥデイトなものになっていまする。