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Day After Day

Day After Day

203■Name Of The Game / Badfinger
74年にバッドフィンガーは3枚のLPをリリースしています。最初がApple最後のアルバムとなった「Ass」(3月)、そしてWarner Brothersに移籍した「Badfinger」(6月)と「Wish You Were Here」(10月)です。そしてRykodiscから発掘されたこの「Day After Day」は74年の米クリーヴランドでのライヴです。時期的に「Badfinger」直前か、「Wish〜」との間でしょう。ヒット曲は外し、ハードな演奏で聴かせ、ビートルズの弟バンドに始まるバンドのイメージと、かなりハードなステージの実際はずいぶんギャップがあることが分かります。75年にピート・ハムの自殺によってバンドの歴史はいったん閉じられてしまいますが、再結成の際中心となったジョーイ・モランド色がこの時点ですでに濃い感じではあります。
Straight Up

Straight Up

"Name Of The Game"は3枚目「Straight Up」('73)に収められていたピート・ハムのナンバーで、いいメロディーです。同じライヴでも97年にWindsongから出た「BBC In Concert」は72〜73年のもので、トラフィックデイヴ・メイスンのカヴァーも入っていて、ハードな中にも遊び心があったのですが、74年のこのライヴではdsはひたすら重く、パワー・ポップ(90'sに入ってバッドフィンガーは、ルーツ・オブ・パワー・ポップとして再評価されました)というよりはハードロックです。
BBC in Concert 1972-1973

BBC in Concert 1972-1973

このライヴが出た90年にはApple時代の作品はCD化されておらず、世界的に廃盤の入手困難な状態が続いており、89年にまずWarner時代の2枚が、CD化されて大いに話題となりました(先鞭を切ったのは、英Edselのコンピ「Shine On」です)。その中でApple時代のナンバーを演奏した粗悪な音質のライヴが高価で取引されていたので、全盛期をやや過ぎたとはいえこのライヴの登場は衝撃だったようです。