ホラーと書くとなんか違う気がするけど、怪談が好きです。映像よりも文字でつづったもの。実話じゃなくてフィクションで。外国ものもいいけど、最近は和もので。特に怪異が信じられていた明治以前を舞台にしたものがいい。かつてホラーが
怪奇小説と言われてた頃、バイブルだったのが
創元推理文庫から出た「
怪奇小説傑作集」全5巻。それの日本版を3巻にまとめる作業をしたのが、
紀田順一郎と
東雅夫。この第1巻では明治から大正期にかけての作品をチョイス。いわゆる「文学」畑で少し幻想っぽい味わいの、大家の作品が(川端、芥川、森etc)並んでいるが、久々に最後の行でゾッとする感じを味わったのが、
大仏次郎の”銀簪”。これはすごかった。あと
岡本綺堂のノスタルジックな”木曾の旅人”もいい。ただ全体に純文学していて格調高すぎる。
夏目漱石の"蛇"はとても短い作品で、難解だけど不思議に印象に残ります、