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サンライズ

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■All By Myself / Eric Carmen
ラズベリーズのエリック・カルメンのソロデビューは元Columbiaの社長だったクライヴ・デイヴィスが設立したArista(Bellレーベルが改名したのですが)から75年にリリースされています。ラズベリーズは、オハイオで結成され、結果的にウォーリー・ブライソン(後にフォトメイカー)のいたクワイアにカルメンが参加する形でスタートしています。ジミー・イエナーがプロデュースしたポップ・ロックですが、現在ではバッドフィンガーやチープ・トリックとならんでルーツ・オブ・パワー・ポップとされています。カルメンは10代の頃クラシックの音楽教育を受け、ラフマニノフに傾倒したということですが、ソロ第1作「Eric Carmen」には、その影響下になるナンバーも含まれています。最大のヒットとなった、"All By Myself"(#2)は、ラフマニノフピアノ協奏曲第2番のフレーズが引用されています。美しいメロディーであり、映画なんかでも使われると効果的なんでしょうが(実際使われているのか不明)、ちょっときれいすぎる嫌いはありますね。

あふれる才能がありながら、ソロでは成功したとは言い難い印象があるのは、寡作である事と、タイミングの悪さでしょう。Aristaで4枚のアルバムを出してますが、最終作「Tonight You're Mine」('80)でのロックなarrは、あと3年遅ければ流行に乗ったでしょう(シングルの"It Hurts Too Much"の邦題は"哀しみToo Much"で、英語の熟語がカタカナ表記ではなく、英語表記で組み込まれた画期的な例でした。当時僕はすごく違和感ありました)。その後82年にはカーマイン・アピス&フレンズとして来日。アピス(ds,vo)、リック・デリンジャー(g,vo)、カルメン(kb,vo)、トム・ピーターセン(b〜元チープ・トリック)、デュアン・ヒッチングス(g〜元カクタス)というのがメンバーでThe Bestと名乗っていたようです。
次のソロがGeffenから出たのが84年(「Eric Carmen」)、更にその次は98年ですから…