pale#2

A Whiter Shade of Pale

A Whiter Shade of Pale

287■A Whiter Shade Of Pale / Procol Harum
言わずと知れたプロコル・ハルムの67年の大ヒット(US#5)曲です。僕が初めて聞いたのは77年ごろ、NHK-FMの「ヒストリー・オブ・ブリティッシュ・ロック」という特番でした。小倉エージさんが選曲し、後に「クロスオーバー・イレブン」に受け継がれるこのシリーズは、60's英国バンドのチャート曲を順にOAするという結構マニアックなもので、ニュー・ヴォードヴィル・バンドもトロッグスもアラン・プライスもこれで知ったのです。
さて日本では、チークタイムで必ずかかったというこの曲、元々はバッハのカンタータ140番「目ざめよと呼ぶ声あり」をモチーフにしたクラシカルなメロディーをもっています。荘厳なマシュー・フィッシャーのorganとソウルフルなゲイリー・ブルッカーのvoが印象的なバラードです。元々パラマウンツというR&Bバンドがプロコルの前身で、最初のシングルのこの曲のレコーディング後、リズム隊が脱退(ボビー・ハリソンはフリーダム、そしてスナフーを結成します)、メンバーチェンジの歴史が始まるのですが、2台のkbにロビン・トロワー(g)、BJ・ウィルソン(ds)にbassという初期のラインナップは、クラシカルなムードを大事にした、プログレと呼ぶには違和感がある英国ポップです。
さて、作詞家であるメンバーのキース・リードが書いた"A Whiter Shade Of Pale"の歌詞は、サイケデリックというか幻想的なもので、船上パーティーでの男女の話。ドラッグソングという説もあります。真っ青に(whiter shade of pale)なっていたのは彼女の顔で、それはドラッグによるものなのかも?

バンドにとっては顔となったこの曲も、70'sに入ってからステージで演奏される事は少なくなりました。トロワーのブルーズ志向による脱退、フィッシャーの脱退後、バンドはメンバーチェンジを繰り返しながら活動を続けますが、次第にブルッカーのワンマンバンド的なものになってゆきます。クリス・トーマスのprodによる「Grand Hotel」という傑作がリリースされたのは74年の事。レーベルもRegal Zonophoneから、Chrysalisに移っています。
上の画像はでRegal Zonophoneから出たファーストですが(タイトルは「Procol Harum」)、オリジナルには"青い影"は未収録。ジャケットもノートリミングでバンド名が大きいのがオリジナルです。下はトリミングされた再発ジャケ。