tiger#1

10001■Tiger Will Survive / Ian Matthews

タイガー・ウィル・サヴァイヴ(紙ジャケット仕様)

タイガー・ウィル・サヴァイヴ(紙ジャケット仕様)

寅年と言う事でまずはこれから。
初期のイアン・マシューズの活動っていうと結構入り組んでいます。フェアポート・コンヴェンションを辞めたのは、69年に入って間もなくで、最初のソロは「Matthews' Southern Comfort」(MCA)です。このファーストはフェアポートのメンバーがバックをつけたもので、70年に入ると同名のバンドを率いて更に2枚のLPをリリース。ヒットした"Woodstock"は
オリジナルLPには入ってませんが、JTジェシ・ウィンチェスター、ニール・ヤングのカヴァーをやったりしています。この年の後半にはマシューズ以外のメンバーがサザン・カンフォートとして独立し、Harvestと契約してLPをリリースしています。71年に新たにVertigoとソロ契約をしたマシューズは、「If You Saw Thro My Eyes」をリリース。バックのほとんどがフェアポート関係者なんで、何やってるの?って感じなんですが、タイトル曲は素晴らしいです。で、その次が72年の「Tigers Will Survive」です。元々もっとアメリカナイズされた音をやりたくてフェアポートを離れ、同時代のアメリカのsswの作品を取り上げたりしたのですが、やはり英国人としてのアイデンティティーでしょうか、乾いた感じにはなかなかならずしっとりとした感じのフォークロックになっています。
後にプレインソングのティミ・ドナルド(ds)、アンディ・ロバーツ(g)、ボブ・ロンガ(p)、更にクィヴァーのブルース・トーマス(b)、カル・バチェラー(g)、ジョン・ウィルソン(ds)、ティム・レンウィック(g)が参加した地味なアルバムです。タイトル曲は緊張感あふれるアコギのカッティングが印象的で、アカペラで歌われる"Da Do Ron Ron"もありました。
昔持ってた米Vertigo盤はタイトル曲がA面トップでしたが、調べるとオリジナルではこれがB面の頭に来てた様です。
何度も書いてますが、僕ら世代のマシューズというとテレンス・ボイランの曲をカヴァーした"Shake It"('78)ですね。イギリス人でありながらウエストコーストのテイストをもったsswとして、久々のヒットとなったナンバー。クリスティ・マクニコルとテイタム・オニールが共演した映画「リトル・ダーリング」でも冒頭でかかります。蓮っ葉な(死語)クリスティが男の股間をけり上げる音がイントロのdsとシンクロしてなかなかカッコよかった。

saxはメル・コリンズです。このヒット(Rockburgh)に至るまでVertigo、Mooncrest、Elektra、CBSとレーベルを渡り歩くのです。