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10005■Ride The Wind / The Youngbloods

Ride the Wind

Ride the Wind

乱暴な本ですとヤングブラッズはウエスト・コーストのバンドとなってますが、結成はNYです。ジェシ・コリン・ヤング(vo,b)、ジェリー・コービット(g,p,vo)、ローウェル・バナナ・リヴェンジャー(kb,g)、ジョー・バウアー(ds)の4人組です。ジェシは元々フォークシンガーとしてヴィレッジ周辺で歌ってた人ですが、フォークスタイルに限界を感じてバンドを結成したと言われています。NYのバンドらしく、ジャズ、ジャグバンド、ブルーズ、ラグタイムなどの要素もあり、ラヴィン・スプーンフルに似た部分もあります。RCAからデビュー盤が出たのは67年ですが、初期の代表作とされるのが「Elephant Mountain」('69)でしょう。
QMSにもかかわったディノ・ヴァレンテが本名のチェスター・パワーズ名義で書いたヒッピー賛歌"Get Together"は、サマー・オブ・ラヴと言われた67年の夏を代表するナンバーで、数多くのカヴァーが生まれましたがヤングブラッズのヴァージョンが最大のヒットとなりました(67年リリース時にはパッとしませんでしたが、69年に#5のリヴァイヴァルヒット)。さてウエストコーストに移ってきた頃にはこービットは抜けて3人組になっていました。バナナはel-pを弾く事が多く、ジャジーなクールな演奏を聞かせる一風変わったバンドになっていました。レーベルもRCAからWarner Brosに移り、そこに自身のレーベルRaccoonを作りました。71年の「Ride The Wind」はライヴ盤で、前述のクールな演奏がグレイトフル・デッドに通じる部分なります。「Elephant〜」に収められたスタジオ・ヴァージョンよりもこっちのライヴの方が、この"Ride The Wind"の魅力をあますことなく伝えてる感じ。フレッド・ニールの"Dolphins"のカヴァーも入ってます。