ボビー・チャールズ再び

ネット仲間やマイミクさんの日記を読むとボビー・チャールズの訃報の衝撃がよく伝わってきます。水面に映ったボビーと愛犬の姿が印象的なジャケット(裏ジャケのスイカもそうですが)のベアズヴィル盤は、日本では最初ワーナー・パイオニアから出ましたが、僕が最初に買ったのは、CBSソニーから出た2度目の再発LPでした。で、今手元にあるのはビクター(ここのところずっとBearsvilleはビクターから出ています)からのCDです。
ザ・バンド、ベター・デイズのメンバーを中心にウッドストック界隈の豪華ゲストが参加したこのアルバムを、僕は少々聞き過ぎていて、実は今の心境では手放しに大絶賛できないのが、何とも歯がゆいのですが、80's半ばにヴィヴィッドから出たJewel〜Polar時代の音源を集めた、スワンプ・ポップな作品なら語れます。

もちろんボビー・チャールズは例にベアズヴィル盤で知った(正確には「ラスト・ワルツ」が最初)のだけど、パフォーマーとしてよりも、ソングライターとしてニュー・オーリンズ産のR&B方面で、古くはチェス、そして64年から66年のジュウェル、ポーラ時代はヒット曲こそなかったものの、ファッツ・ドミノやクラレンス・ヘンリーらに書いた曲の作者として裏方として知られていたのだ。チェス時代のストレートな感じに比べるとジュウェル〜ポーラ時代の甘みを帯びた歌声は、実に心地いい。80年にPヴァインからLP化されたものを愛聴してきたが、90年に長門さんのヴィレッジ・グリーンから5曲足してCD化された。手元にあるのはこの「Lousiana Days」だけど、現在はWestside(UK)からもっと曲数の多いものが出てて悔しい。sswではありながら、ドン・ギブソンのカントリー・ヒットを取り上げた"Oh Lonesome Me"(ニール・ヤングが「After The Goldrush」でカヴァーしていて、僕はそっちを聞いたのが後だったけど、えらく暗く感じた)では、女性コーラスとのやり取りがなんとも能天気で楽しい。他にもジョー・コッカーのヴァージョン好きな"Jelous Kind"、ジェフ・マルダーもカヴァーしたファッツ・ドミノの"Walking To New Orleans"、エルトン・ジョンに"Crocodile Rock"というアンサーソングを書かせた"See You Later Alligator"も楽しい。
チャールズに関しては渡辺秀樹さんの素晴らしいサイトもどうぞ