■A Salty Dog:Procol Harum

Salty Dog

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69年にリリースされたプロコル・ハルムの3枚目の最新リマスターは英Salvoからのリリースとなりました。原盤はEMI系のRegal Zonophoneで、現在はCube/Flyに吸収されています。思い出すのは77年のキング・ロック名盤シリーズで再発。その後A&Mロック名盤ではラインナップに入っていながら結局出ませんでした。初めて耳にしたのはテイチクからCDが出た80's後半ですが、その後1stとの2in1のLP(英盤)を買った事もありました。初期のロマンシズムが色濃く出た作品で、デビュー作ではゲイリー・ブルッカー(vo,p)ばかり目立っていましたが、ここでは地味ですがロビン・トロワー(g)やマシュー・フィッシャー(org,vo,prod)も活躍しています。
ザ・バンド的な"The Milk Of Human Kindness"、ブルージーな"Juicy John Pink"、トロワーが歌う塩辛い"Crucifix Lane"、そしてフィッシャー作の最高傑作"Pilgrim's Progress"とタイトル曲以外に佳曲が多いです。ボーナストラックは6曲で、まずはシングルB面の"Long Gone Geek"(これはロックンロールっぽい異色作。トロワーとフィッシャーが大きくフィーチャー)。そして69年4月の全米ツアーからライヴ4曲。ハウリン・ウルフのブルーズ"Goin' Down Slow"では、それまでありえないと思っていたホワイトブルーズなプロコルの姿を聞かせます。他の曲でも思いのほかブルージーで意外でした。"ツァラトストラはかく語りき"や"剣の舞"を引用した部分もあります。