10018★★★激動の昭和史・沖縄決戦('71日本)
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- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2007/07/27
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主演:小林桂樹、丹波哲郎、仲代達矢、神山繁、田中邦衛、東野英治郎
喜八第26作。沖縄返還の年に公開された8.15シリーズの1本で、唯一の国内戦となった沖縄戦を描いた作品。まさに死屍累々たる悲惨な戦場があますことなく描かれる。これほどまでに負けを強調した(事実そうだったのだろうが)戦争映画を知らない。初見時にはあまりの衝撃で、もう見る事はないだろうと思っていたもの。公開時は新藤兼人の脚本も含め、批判が多かったけど、「日本のいちばん長い日」で描かれなかった市井の人々のつぶやきを満載。おびただしい登場人物を的確に交通整理する手腕はさすが喜八。印象的なセリフと役柄は多いが、結末近くに仲代を叱咤する老人に三井弘次(あのダミ声でわかる)、また毅然とした態度が美しい大谷直子、何箇所かある集団自決のシーンは涙なくして見れないが、"ふるさと"を歌いながら青酸カリを飲んでゆく女学生たち、足をやられ痛い痛いと叫ぶ酒井和歌子、傷ついた婦長の大空真弓と共に一瞬のうちに爆弾によって消え去る軍医加山雄三、虚無的な軍医岸田森、無垢な少女に再生を託したエンディング… 悲惨な戦争である事は言うまでもないですが、大本営がどのようにして沖縄を見捨てたかを淡々と描いています。女郎から看護婦になった丘ゆり子も印象的。庵野英明監督が特に影響を受けた事もあって近年再評価著しい1本。壮大なそしてエキゾティックな佐藤勝の音楽も印象的。また実際のフィルム、特攻隊員の手記を挿入する手法でリアリティーを増しています。