look#2

対自核

対自核

■Look At Yourself / Uriah Heep
チャールズ・ディケンズの「デイヴィッド・コパーフィールド」の登場人物(ちょうどディケンズ没後100年でブームだったという)からバンド名をいただいたユーライア・ヒープは70年にVertigoからデビューし、現在も活動を続ける息の長いハードロック・バンドです。と言っても70's前半が活動のピークで以後は熱心なファン以外相手にされない状況ですが…
71年の3枚目「対自核」(Bronze)が代表作で、デイヴィッド・バイロン(vo)、ミック・ボックス(g)、ケン・ヘンズレー(org,g)、ポール・ニュートン(b)、イアン・クラーク(ds)がメンバー、と言ってもすでにクラークは3代目dsでクレシダより招かれた人。
「対自」という当時流行の哲学用語に「核」をくっつけた造語による邦題は、今もって意味不明ですが、このタイトル曲のわかりやすいハードロックはある種痛快でもあります。71年と言うとディープ・パープルはまだ「Machine Head」をモノにしていませんが、ちょうど2期パープルの典型的なorganサウンドをヘンズレーは構築。これにハードロックバンドらしからぬコーラスをダビングし、バイロンのハイトーンのvoと合わせて効果を出しています。このアルバムにはもう一つ"July Morning"という泣きの曲もあって、まさに日本人向けでした。

72年から73年にかけてロジャー・ディーンの手による2枚のLP〜「Demons & Wizards」、「Magician's Birthday」〜をリリースしますが、オカルト的な志向は当時のブームに乗った感じで、この辺もヘンズレーの策略っぽい(ジョン・ロードにもそういうところがありましたが)です。


このあたりまでが全盛期で、ライヴ盤を挟んでアメリカ志向が強まり失速してゆきます。