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Chips From the Chocolate Fireball

Chips From the Chocolate Fireball

■What In The World / The Dukes Of Stratosphere
XTCが85年に変名でリリースした「25O'Clock」(Virgin)は当時の薄っぺらいネオサイケデリック・ブームをあざ笑うかのような徹底した模倣、オリジナルへの敬愛が満ち溢れた作品で、デュークス・オブ・ストラトスフィア(成層圏公爵)というバンド名、あまりにすごいジャケットなどでインパクトはありましたが、60's〜70'sの音楽にさほど関心がないと「お遊び」程度の評価で終わってしまいます。事実当時の評は、困惑気味でした。けれどCDの登場で、過去のカタログがreissueという形で積極的にリリースされ始めるのが、この1〜2年後です。XTCがこういった作品を出した意義は限りなく大きいです。
日本ではこれにもろ影響された、ザ・コレクターズがMint Soundよりデビュー。モッズというタームで語れることの多い初期コレクターズですけど、もうひとつポップなサイケデリアという特徴がありました。
さてこのミニLPは、現在はセカンドと2in1でCD化されていますが、エレクトリック・プルーンズの"I Had Too Much To Dream"の影響下にあるタイトル曲以上に、SGTペッパー周辺のビートルズを思わせるわかりやすいサイケな世界(ファズgとディストーションの世界でない)が繰り広げられています。sitarとテープ逆回転の多用がそうです。
"What In The World"ももろその世界。歌詞の世界観は先のコレクターズの"2065"につながります。


メンバーはサー・ジョン・ジョンズ(=アンディ・パートリッジ,vo,g)、ザ・レッド・カーテン(=コリン・ムールディング,b,vo)、ロード・コーネリアス・プラム(=デイヴ・グレゴリー,kb,g)、E.I.E.I.オーウェン(=イアン・グレゴリー,ds)の4人。