10049★★★初めての旅('71日本)

監督:森谷司郎
主演:岡田裕介高橋長英森和代二谷英明宮口精二
曽根綾子の原作を森谷監督とコンビを組み事が多かった井出俊郎が脚色した青春映画。71年らしくアメリカン・ニュー・シネマの影響をどっぷりうけた作風はある種微笑ましいです。岡田裕介(現東映社長)主演ということで「赤頭巾ちゃん気をつけて」('70)を思い出す(森和代も出演)けど、そっちの内容はもうすっかり忘れてしまった。注目すべきは小椋佳の音楽で、71年デビューなので、恐らくこの映画の為に書かれたものではないでしょうか?流れる曲のほとんどは湿っぽい感じの物で共感しにくいけど、有名な"さらば青春"にはグッときます*1。未DVD化。

*1:よく言われてるように、♪僕は呼び掛けはしない〜とは当時やたら呼びかけていた学生運動への決裂の宣言歌を意味していたようです。「黒い水」「黒い犬」というのは、左翼運動家やその運動を指していて、そういった煽動に巻き込まれていく学生たちや人々の群れを指しています。小椋佳はこの当時の誰でもがかかる青春病=マルクス病から隔離されていたノンポリだったと語っています