■Mose Nose Knows:Mose Jones


モズ・ジョーンズってこの2枚目が独Line傘下のレーベルから93年にCD化されたっきりです。そのCDもジャケットはトリミングされてるわ、廃盤になって久しいわと少々怪しい部分はあります。モズ・ジョーンズは、ブライアン・グレン・コール(ds)、ランディ・ルイス(vo,b)、スティーヴ・マクレイ(kb,vo)、ジミー・オニール(vo,g)の4人。アル・クーパーがMCA傘下に設立したSounds Of The Southから73年に「Get Right」でデビューしています。
この「Mose Nose Knows」は74年に出たセカンドで、再びクーパーがprod。prod補にチャーリー・カレロの名前もあります。南部のバンドでありながら、非常にソフィスティケートされた音で泥臭さ、汗臭さとは無縁です。それでいてソウルからの影響をしっかりと受けています。オニールの弾くel-sitarの入った"Keep On Trying"で幕を開けますが、"Everyone Before You"では泣きのメロディが炸裂するバラードです。タイトル曲はマクレイのorganをフィーチャーしたインストで、早すぎたスタイル・カウンシル的なムードも。かと思うと"Home"ではドゥービー的な疾走感、コーラスも聞かせます。唯一のカヴァー"Does Your Mama Know About Me"は、ボビー・テイラー&ヴァンクーヴァーズのレパートリーをとりあげたもので、趣味的とはいえいい味を出しています。
サザン・ロックのコーナーでなくてフリー・ソウルのコーナーがふさわしい。レア・グルーヴの時代に再評価されなかったのはなぜでしょう?
Lineca:LCCD9.01269O−D