恋する惑星(意味なし)

■Lucky Planet:The World

Lucky Planet

Lucky Planet

西新宿にあるVinyl Japanというレコード・ショップの開店はいつかわかりませんが、オリジナル盤LP至上主義と言うのを早くから打ち出して(日本の)レコードコレクターに大きな影響を与えました。また早くから70's〜80's英ロックの希少盤を自社レーベルであるVinyl Japanを興してリイシュー*1しています。
ザ・ワールドはボンゾ・ドッグ・バンド解散後、ニール・イニス(p,g,vo)とデニス・コーワン(b,g,vo)がイアン・ウォーレス(ds)、クワイエット・ファイヴのロジャー・マッキュー(g)と結成した4人組で70年の唯一のLP「Lucky Planet」(Liberty)が02年にこのレーベルから再発されています。ボンゾズというとブラックな笑いがメインで「笑える」と評に書かれてる事が多く、笑えない身としてはなんともコメントできない("I'm The Urban Spaceman"くらい)のですが、ワールドの音楽はそういうものを抜きにしたシリアスなものです。音としてはザ・バンドからの影響が強いイギリスのアメリカ的なナンバー("Not The First Time"、"Sail Away"、"Lead Us")とビートっぽいナンバー("9-5 Pollusion Blues"、"Come Into The Open")が混在していてなかなかどっちつかずです。前者はザ・バンドの影響恐るべしと言った感じで英ロックを聞けば聞くほど、スワンプ的な音が意外と多い事に気づきます。またウォーレス(この後クリムゾンに参加しますが、いわゆるプログレ的なキャリアを歩まず、ボズ・バレルとのコンビで米南部憧憬型英ブルーズ・ロックの諸作に参加後渡米、LAでセッションdsとして名前を売ることになります)のdsソロのある長尺の"Godzilla's Return"は凡庸。乱暴な本にはプログレ的みたいに書かれてたのは、希少盤なゆえ聞いた事がある人が少なかったんでしょうねえ。

*1:非常に読みにくい日本語ライナーなど問題は多々ありますが