ベイビーと呼ぶにはちと…(失礼)


■”Baby”:Dianne Davidson
巨漢の女性スワンパーとして紹介される事が多い、ダイアン(ディアン)・ダヴィッドソンですが、Janusに残した3枚のLPは未CD化のままです。71年のデビュー盤がこの「”Baby”」で当時19歳だったらしいですが、随分なぽっちゃりさんです。ナッシュヴィルのシンデレラ・スタジオというとエリア・コードの連中のホームグランドで、ここにもケネス・バトレー(ds)、チャーリー・マッコイ(b.g)、マック・ゲイドン(g)、ティム・ドラモンド(b)、ジョン・ハリス(kb)らが参加しています。いわゆるカントリー・ロック的な音ではなく、都会的な女性voなイメージがあって、すでに2枚目(この「Backwoods Woman」が出会いの1枚でした)3枚目を聞いてただけに意外です。ルルがマッスル・ショールズで録音したアルバムでも感じた事ですが、南部産のミュージシャンのバッキングがすなわち南部的な音というわけではないです。もちろんそういった曲"60 Minute Woman"もありますが、ストリングスのarrがソフィスティケートされててびっくりする"Just How Different Am I"や"Trying Times"、"Clowns Exit Laughing"(これはジム・ウェッブの作品)は素晴らしいです。"Until I Get Back Home"でのharmonicaはマッコイでしょうか。ラストの"We Have Seen The Sign/Coming To Take You"は、ゲイドンのvo(ここ以外はすべてコーラスなどダイアンのvoをダビング)もフィーチャーされてますが、強烈なゴスペル臭を感じます。