若きレスリー・ダンカンも

Dream Babes Vol 1

Dream Babes Vol 1

■Am I Dreaming:Various Artists
今はSanctuaryとなっているSequelレーベルが「Here Come The Girls」シリーズを始めてから数年たった94年、今度はRPMレーベルが同じ切り口でスタートしたのが「Dream Babes」シリーズ。どちらも埋もれてしまった60's英ガールズのコンピです。94年のシリーズ第1作が「Am I Dreaming」で続けて聞いてると頭がクラクラしてくる24曲を収録。玉石混合というのはお約束ですが、やや石多しかな。ソースはEMI系のColumbia、HMV、Parlophoneから
60's英ガールズは9割が白人なので、同時代の米ガールズに比べると、R&B色が薄く上品な感じがあります。シンディ・ウィリアムスと聞くと「アメ・グラ」の女優を思い出しますがもちろん別人。この"They Talk About Us"('67)は同名ドラマの曲とか。ヴァーノン・ガールズのサマンサ・ジョーンズは後に日本でも単独でCD化されましたが"I Deserve It"('67)は歌い上げるウォール・オブ・サウンド。リンダ・ケイの"I Can't Stop Thinking About You"('66)はパワフルなペトゥラ・クラークといった印象。ジャッキー・デシャノン作の"Am I Dreaming"('65)を歌っているのはティファニーなるシンガーで、これは意外にR&Bっぽい。アルマ・コーガンの"Snakes & Snails"('65)はサーチャーズのクリス・カーティス作品で程良い加減のロックンロール。ビヴァリー・ジョーンズの"Wait 'Til My Bobby Gets Home"('63)は、ダーレン・ラヴのカヴァーです。トレイシー・ウルマンで知られる"Break-A-Way"('66)は、オリジナルはアーマ・トーマスで、ここではショットガン・エキスプレスに参加するマージー娘のベリル・マースデン。何を隠そうSee For Milesから出たコンピですっかりベリルの歌声に参ってしまったのでした。ブルー・ミンクに参加する黒人シンガー、マデライン・ベルの"You Don't Love Me No More"('64)もトニー・ハッチ的なムードのナンバー。先日訃報が届けられたレスリー・ダンカンのガール・シンガー時代の音源もうれしい。もちろん"You Kiss Me Boy"('64)は自作です。"Don't Worry Baby"風の"Once More Feeling"('70)は、アリソン・ワンダーなるシンガーでグリーナウェイ=クック作。ラストのピーナットは、ケイティ・キッスーンの芸名で、Pyeに残したシングルがスペクターっぽくて知られていますが、"I Didn't Love Him Anymore"('67)はマーク・ワーツprod。

サマンサ・ジョーンズはヴァーノン・ガールズ解散後ソロになりましたが、その後TVの仕事もあってショウビズっぽい位置にいた事がわかります。