#8昔はバリットだった

The Gilded Palace Of Sin

The Gilded Palace Of Sin

■The Gilded Palace Of Sin:The Flying Burrito Brothers
第4章は「カントリー・ロックの流れ」として、フライング・ブリトウ・ブラザーズが紹介されています。バーズにカントリー・ロック革命を成し遂げたグラム・パーソンズがバーズ脱退後、クリス・ヒルマン(b,g,mand,vo)、スニーキー・ピート・クレイナウ(steel)、クリス・エスリッジ(b)と結成したバンドです。90'sくらいまではブリトウをバリットという表記で日本盤はなってました。そもそも「ブリトー」という料理はセブンイレブンで登場するまで存在も知らなかったのです(実はその「ブリトー」は本国のブリトウとは全く別物らしいです)。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88
バーズの「Rodeo」は今から思えば新しすぎて異端にも感じたのですが、それよりもややロック色を強めたのがFBBの1枚目「The Dilded Palace Of Sin」('69)です。荒れ果てた小屋にたたずむ派手なスーツのメンバー4人に娼婦たち(?)という奇抜なジャケットはカントリー・ロックが当時異端の(プログレッシヴな)音楽だった事を示唆しています。グラムの歌う"Hot Burrito#1"の胸をかきむしられるようなメロディーや、ゴスペルに接近した"Dark End Of The Street"と"Do Right Woman"(ともにダン・ペンが共作者としてクレジット)など南部の白人ロック的なニュアンスもあります。
70年のセカンド「Burrito Deluxe」ではエスリッジが抜けヒルマンがbに移動。ディラード&クラークからバーニー・レドン(g,vo)が参加(dsは前作ではゲスト扱いだったジョン・コーニールから元バーズのマイケル・クラークに交代)しています。ロックンロール色を強め、ストーンズキース・リチャーズとの交流から、ストーンズに先駆けて"Wild Horses"をプレイしています。ただこの頃からヒルマンとグラムが音楽性をめぐり対立。カヴァー曲を録音した音源(これらはグラムの死後「Sleepless Nights」の一部として収録)を残しグラムはバンドを離れることになります。
以後ヒルマン、リック・ロバーツ(g,vo)、クレイナウを中心にバンドは細々と続いてゆくわけですが、FBBの長い歴史で重要なのは最初の2枚と言われています。これをコンパイルしたのが88年に出たベスト「Farther Along」(A&M)でした。
Farther Along: Best Of The Flying Burrito Brothers

Farther Along: Best Of The Flying Burrito Brothers