#15トゥナと書くのは気恥ずかしいけど…

Burgers

Burgers

■Burgers:Hot Tuna
ホット・トゥナは、JAのヨーマ・コウコネン(g,vo)とジャック・キャサディ(b)がJAの活動と並行してスタートさせたプロジェクトです。70年のデビュー作はラグタイム調、フォーク・ブルーズ風のアコースティックな手触りのライヴで、大昔余り知らずに買って撃沈した覚えがあります。ウィル・スカーレット(harp)を加えた3人編成でしたが、再びライヴとなった「エレクトリック・ホット・ツナ」という邦題がドンピシャのセカンド「First Pull UpThen Pull Down」('71)からはサミー・ピアッツァ(ds)、パパ・ジョン・クリーチ(vn)が加わっています。

「Burgers」は、トゥナにとっては3枚目になるアルバムで、スカーレットが抜け4人編成になっています。ラグタイムっぽいヨーマのgは、アコースティック・オンリーだとつらいけど、エレクトリック・ブルーズを含む編成なら文句なしOKでしょう。このアルバムのベストトラックは、イントロからして即死させる"Sea Child"、伸びのあるgをたっぷりとフィーチャーしています。ラグタイミーな"Keep On Truckin'"あたりでしょうが、インストの"Water Song"も素晴らしい。ヨーマはルーツがスカンジナヴィア系だそうですが、ここでのアコギの使い方は英フォーク的な響きもあって、思い出すのはダンド・シャフトやペンタングル、それがアコギ1本ではなく、リズムセクションに乗せ、陰影をつけた表情を見せます。エンディングまで心憎い気づかいです。


トゥナは、78年の「Double Dose」まで8枚のLPをGruntに残していますが、ヨーマはトム・ホブソンとの共作「Quah」('72)も出しています。