down#2

It Is And It Isn't

It Is And It Isn't

■Upside Down / Gordon Haskell
後にキング・クリムゾンに参加するゴードン・ハスケルは、それ以前にはフラー・ダ・リーズというビート・バンドに在籍。そこではブリン・ヘイワース(g)、ピート・シアーズ(b,kb)も参加していましたが、商業的な成功は収められず解散。ハスケルは古くからのバンド仲間のロバート・フリップの誘いでクリムゾンに参加しますが「Lizard」('70)後に脱退しています。71年にアリフ・マーディンのprodでAtlanticからリリースされたのが2枚目のソロになる「It Is And It Isn't」です。コーラスにラスカルズのエディ・ブリガッティ、デイヴィッド・スピノザがgで参加というのがマーディンの人脈である事はわかりますが、どうしてマーディンだったのかは不明。いわゆるクリムゾン・ファミリー関連のアルバムではプログレらしくない1枚ですけど、ジョン・ウェットン(b,org)、レアバードのデイヴ・カフィネッティ(kb)、フィールズのアラン・バリー(g)といったプログレ畑の人たちも参加してるので、混乱します。すべてハスケルのオリジナルでssw的作風ではありますけど、なかなかそうは聞こえません。基本はフォーク・ロックですけどボソボソして決してうまくないvoに慣れれば意外とよかったりもします。

"Upside Down"は湿気を含んだ暗く重いvoで、陰鬱な気分になります。それでもこれと"No Need"がベストトラック。

01年に"How Wonderful You Are"というジャジーな曲がBBCで取り上げられ広く聞かれるようになりました。何が幸いするかわかりませんね。