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Manassas Down the Road

Manassas Down the Road

■Down The Road / Stephen Stills Manassas
73年に出たマナサスのセカンド「Down The Road」は圧倒的なヴォリュームだった前作に比べるとやはり物足りない感じがします。その最大の理由は曲がコンパクトにまとまりすぎていて、ラジオ局のエアプレイを意識したのか3分台前半でまとめられている事です。スティルス、クリス・ヒルマン、ダラス・テイラー、ジョー・ララ、アル・パーキンス、ファジー・サミュエル、ポール・ハリスといういつものメンツにゲストというラインナップです。
おそらくはヴェトナム戦争の事を歌ったルーズなブギ"Isn't It About Time"でA面は始まりますが、クライマックスを迎えぬうちに終わってしまうのが残念。スライドはパーキンスだと思います。ヒルマンが歌う"Lies"は、ワイルドで泥臭い音。まとわりつくようなスライドはスティルスでしょう。"Pensamiento"はジョー・ララにゲストのグリー・ガルシアらのpercが活躍。シドニー・ジョージのflも入ったラテン風のもの。カントリー・ロックの"So Many Times"ではパーキンスのsteelの緩やかな感じもいいです。ヒルマンとスティルスがvoを分け合います。いいメロディーを持ちながら早く終わってしまうのが消化不良気味な"Business On The Street"は、パーキンスのsteelが前曲とは違うトーンで聞かせます。"Do You Remember The Americans"は、ヒルマンが弾くbanjoが軽快なブルーグラス調。おそらくはジョー・ウォルシュがスライドを弾いてる"Down The Road"は、P・P・アーノルドのvoも入ったブルージーなものです。おそらくボビー・ホイットロックがpianoを弾き、歌っている"City Junkies"はこのアルバムで一番魅力に欠ける曲です。夫人のヴェロニク・サンソンの事を歌った"Guaguanco De Vero"は再びラテンタッチのもの。そしてサミュエルとの共作になる"Rollin' My Stone"はいわゆるスティルス節で、このアルバムでは異色の5分近いもの。あと一つ決め手に欠けますが、ルーズなムードと言い悪くないです。