lie#2

トラブル+4

トラブル+4

■Lie Down / Whitesnake
僕が洋楽を真剣に聞き始めたのは77年で、すでにパープルは解散してましたが、根強い人気を誇り、発掘ライヴや変則ベスト盤がいろいろ出されてました。元パープルの連中も積極的に活動。ハードロックに風当たりが強くなり始めた時期でしたが、日本では全然関係なかったのです。でも78年になると、急にこういうものは時代遅れとされ、ロックのトレンドはパンク〜ニュー・ウェイヴ、レゲエになってゆきます。3期4期のvoデイヴィッド・カヴァーデイルのソロは全く売れず、ライヴ活動も契約の関係で制限されていたので行えず、制限が切れた78年には早速新バンド、ホワイトスネイクを結成するのです。元ジューシー・ルーシー〜スナフーのミッキー・ムーディー(g,vo)、元ベイブ・ルース〜PALのバーニー・マースデン(g,vo)、元ギルガメッシュ〜コロシアム2のニール・マレイ(b)にゲストとして元ストリートウォーカーズのデイヴィッド・ドウル(ds)、元パラディン〜スナフーのピート・ソリー(kb)、というのが最初のラインナップで、4曲入りEP「Snakebite」をリリースしています。
これに続くのがデビュー作「Trouble」('78)で、EMI系のSunburst(日本ではポリドールから出ましたが、元々パープル時代から本国ではHarvest、PurpleなどEMI系列、Purpleは当時東芝EMIから日本盤は出てましたがパープル本体は米Warner Brosを通してワーナーからリリースという経緯がありました)からリリース。結局kbがジョン・ロードとなったのは色々な大人の事情でしょう。このニュースは日本では大いに盛り上がりましたが、本国では失笑気味だったといいます。事実「Trouble」はセールス的には成功とは言えず、それでもライヴを中心にじわじわと盛り上がりました。カヴァーデイルのvoが冴えた74年から4年しか経っていませんが、3期4期のソウルフルなパープルとはまた別のポップなメロディーの売れ線的なナンバーもあります("Take Me With You"など2期のパロディーのようなキャッチーなハードロックを聞くと、ファンク臭が一切ないのであれはやはりヒューズ=ボーリン色だったのだと改めて感じます)が、ビートルズのカヴァー"Day Triper"やシングルとなった"Lie Down"の分かりやすいロックンロールなどなかなか魅力的です。
この勢いで79年の「Lovehunter」(この後dsはイアン・ペイスに)、80年の「Raedy An'Willing」と続きますが"Fool For Your Loving"のヒットを放ったあたりからバンドは急速にポップ化。80年のライヴ盤はかなり手を加え編集したダメダメライヴです。