people#3

Mcdonald & Giles [HDCD]

Mcdonald & Giles [HDCD]

■Tomorrow's People / McDonald & Giles
初期クリムゾンのリリカルなムードは確かにイアン・マクドナルド(kb,sax,fl)に由来するものでした。「宮殿」リリース後の過酷なツアーに疲労したマクドナルドとマイケル・ジャイルズ(ds)は69年暮れにクリムゾンを脱退。この二人ががクリムゾン以前に組んでいた、ジャイルズ、ジャイルズ&フリップのピーター・ジャイルズ(b)と新たに結成したのがマクドナルド&ジャイルズです。Islandからリリースされた唯一のアルバム「McDonald & Giles」('70)は「宮殿」幻想というのか必要以上に名盤化されているきらいはありますが、クリムゾン関係者のその後のアルバムで重要なものである事は変わりません。
組曲"Birdman"ばかりがクローズアップされますが、個人的には小品の方が出来がいいと思います。クリムゾンの"Cadence & Cascade"の原曲である"Flight Of The Ibis"、ブラスロック的な"Tomorrow's People"などです。プログレッシヴ・ロックがどんどん大がかりなものになってゆく過程で、非常にシンプルな編成でこれだけのものを聞かせるセンスはマクドナルドの力でしょう(g,kb,sax,fl)。