rock#3

Twice Removed From Yesterday

Twice Removed From Yesterday

■Rock Me Baby / Robin Trower
「Broken Barricades」('72)を最後にプロコル・ハルムを辞めたロビン・トロワーは、ブルージーな音楽をやるために、元ストーン・ザ・クロウズのジェイムズ・デューアー(vo,b)、レグ・イサドア(ds)と自身のバンド、ロビン・トロワーを結成します。73年に同じChrysalisよりいち早くプロコルを辞めていたマシュー・フィッシャーのprodで「Twice Removed From Yeaterday」でソロデビューします。70'sのトロワーの作品は大半が幾何学的なジャケットで、中身同様ひどく地味に聞こえます。ジミ・ヘンドリックスに強く影響を受けつつ、ミディアム・テンポのブルージーなナンバーを並べた一連の作品は、正直どれも同じような印象を受けますが、覚悟してじっくり耳を傾けると、意外といいメロディーだったりするのです。
74年のセカンド「Bridges Of Sighs」がヒットシングルもないのにアメリカで#7まで上がった大ヒットとなったのに対し、このファーストは#108止まりでまあこれはフツーに考えると順当なチャート・リアクションでしょう。
さてブルーズに根差した音楽ではありますが、ブルーズ・ロックかと言われるとそういいきれない部分はあります。少なくとも73年当時の英ブルーズ・ロック・バンドは、サヴォイ・ブラウンしかり、フリートウッド・マックしかり、クライマックス・ブルーズ・バンドしかり、純粋にそうはいえない音ばかりでしたので、それらに比べるとはるかにブルーズ・ロックのスピリットがあるのかも。本作唯一のカヴァーはB・B・キングの"Rock Me Baby"で64年のヒットです。