hold on#3

ファー・フロム・ザ・ハーティング・カインド

ファー・フロム・ザ・ハーティング・カインド

■I Can't Hold On 'Til Summer / Tracie
ポール・ウェラーのRespondからデビューしたトレイシー(ヤング)は、80's半ばの僕のアイドルの一人でした。結局のところA&M配給のRespondはトレイシー、クエスチョンズの各1枚とオムニバス1枚しか残せずにつぶれてしまいましたが、ソウルに根ざした音は今聞くと薄っぺらいながら、80's型UKソウルの原型としてなかなか楽しいです。スタイル・カウンシルの初来日に同行し、ソウル・スクアドをバックにトレイシーもオープニング・アクトとして登場。この84年のLP「Far From The Hurting Kind」でもソウル・スクアドをバックにしていますが、メンバーはスティーヴシドルニク(ds)、ヘレン・ターナー(kb)、ケヴィン・ミラー(b)、ジェイク・フラッカリー(g)です。かつて日本のトラットリアからCD化されましたが、去年Cherry RedからCD化された(英国では初CD化)ものは、未収録の2曲のシングル、未発表曲、08年のデモ等が加えられています。85年と86年に出た12"は当時買いましたが、すでにメインストリームから外れてしまったダンスもので痛々しかった記憶がありますがそれは未収録。
やはり「Far〜」に入ったナンバーが懐かしさを感じさせます。"I Can't Hold On 'Til Summer"はシンプルなピアノに弾き語りでなごみます。元々フォーク的な資質もあったのが、あの時代らしいキュートなarrだった"Give It Some Emotion"が08年のデモでは弾き語りに近い形で妙に新鮮です。引退後地方のラジオDJをやってたという話でしたが、復帰したのかな?