Fancy(ファンシー)

a■Wild Thing('74)
b■Turns You On('75)

Wild Thing/Yurns You On

Wild Thing/Yurns You On

キャット・スティーヴンスを見出したプロデューサーのマイク・ハーストが、トロッグスの"Wild Thing"を女性voでカヴァーするというアイディアを、旧知のレイ・フェンウィック(g)に依頼。フェンウィックは元スペンサー・デイヴィス・グループのメンバーで、アフター・ティーなどオランダでの営業も多い、ビジネスの才覚もあった人で、セッションマンのモ・フォスター(b〜アフィニティ、ショパン)、ヘンリー・スピネッティ(ds〜ハード、ストーリーテラー、レイジー・レイサー、クラプトン・バンド)に、ペントハウス誌のペットだったヘレン・カント(お楽しみ画像は、ここをvoにして74年に"Wild Thing"をカヴァー。イギリスでは不発でしたが、米Big Treeから出たシングルが#14まで上がるヒットとなり、思わぬうれしい誤算からLPのレコーディングが必要となりました。

このレコーディングにあたりvoが、カントからアニー・カヴァナーに、dsがスピネッティからビンクスに代わっています。aはAtlanticから、bはRCAからのリリースで、セクシー・ブロンドに髭面という美女と野獣のコンセプトを打ち出した、アイディア先行のもので、グラム風、ファンク風、ディスコ風の曲もありますが、基本線はアニー嬢のvoを聞かせる匿名的なポップロックで、bでは、モーズ・アリスンの"Everybody's Cryin' Mercy"をカヴァー。これ以外はハースト/フェンウィックのペンによるオリジナルです。"Something To Remember"は、芸能界テイストの濃いポップ・チューンで、モ・フォスターの堅実なbassプレイが印象的です。このセカンドで飛びぬけてるのは、"She's Riding The Rock Machine"でしょう。Angel Airより2in1でCD化