memory#2

When the Eagle Flies

When the Eagle Flies

■Memories Of A Rock N' Rolla / Traffic
黒人音楽に強く影響されたトラフィックがマッスル・ショールズのスタジオ・ミュージシャンたちと別れ(長いツアーに疲れた事もあったのでしょう)、元ゴンザレスのロスコ・ジー(b)を加え、4人組として再スタートを切った「When The Eagle Flies」('73 Island)で、それまでの彼らとあまり縁がなかったプログレッシヴ・ロックの手法が取り入れられているのがおもしろいです。曰くソウルフルなピンク・フロイドスティーヴ・ウィンウッドによるsynの大きな導入が一聴そんな感じです。10分を超す"Dream Gerrad"や"Graveyard People"などはまさしくそんなプログレ風の作品。とは言ってもリズムには十分意識的です。"Memories Of Rock N' Rolla"は、逆にそんな世界から離れ、シンプルなロッカバラードを展開。どことなく酩酊感のあるざらついたgが印象的です。voはスティーヴ・ウィンウッドですが、ジム・キャパルディもコーラスを付けています。このアルバム全体に言える事ですが、今まで以上にウィンウッドのソロ的なムードが濃く、gとkbをすべて担当しています。

トラフィックとしてのラストLPですが、東芝EMIの日本盤LPを見つけて買った1枚(解説は平田良子女史)として忘れられません。