band#2

Indian Summer

Indian Summer

■Living In The Band / Poco
ポコの長い歴史は大まかに言ってつに分かれます。まずリッチー・フューレイ、ジム・メッシーナというバッファロー・スプリングフィールドの元メンバーによってスタートとなった第1期で、躍動感あふれるカントリー・ロックを聞かせます。次にメッシーナに代わってイリノイ・スピード・プレスからポール・コットンが加わった第2期。音的にはアップテンポのカントリー・ロックだけでなく、ミディアム調のナンバーも充実し始めました。3期はフューレイが辞め、4人体制となったFab 4と呼ばれた頃でEpicからABCに移籍するなど環境の変化もプラスに働いています。4期はABC乃閉鎖に伴いMCAに移籍した時期で、ティモシー・シュミットがイーグルスに参加、ジョージ・グランサムも脱退してコットンとラスティ・ヤングを中心とした時期。皮肉なことに"Crazy Love"to"Heart Of The Night"のヒットによってセールス的に一番盛り上がった時期。もはやカントリー・ロックというよりはそういう要素もあるフツーのロックです。メンバーはこの二人にリズム隊、さらにkbを加えた事もありました。解散まで4期。そしてオリジナル・メンバーによる再結成でRCAから「Legacy」を出したのが5期、この体制がすぐに破たんし、再びコットン、ヤング中心で地道なツアーを行っている現在が6期でしょう。
さて一般的には1期2期の評価がほとんどですが、個人的には3期。リッチーはもちろん嫌いでもないのですが、彼の脱退によってより絆が深まり、一体感が出るようになったこの頃、アルバムで言えば「Seven」から6枚(発掘された「Last Roundup」を入れて)はどれも充実しています。個人的にはその豊潤な感じがピークに達したのがABC最後のLPとなった77年の「Indian Summer」です。77年というとイーグルスが「Hotel California」を出して従来のスピリットを受け継ぐウエスト・コースト・ロックが終わったといわれる時期ですが、時流の音楽と一切交わらず、独自のカントリー・ロック〜ルーツ・ロック路線を歩んだポコは素晴らしいです。メロディは確かに昔よりもヒットを意識したメロディアスな部分あると思いますが、時にはリード楽器となるヤングのsteelとコットンの力強いgが印象的です。"Living In The Band"は、コットン作でバンドの歴史を紐解いた歌詞がが面白いです。