night#2

スーパー・ニヒリズム

スーパー・ニヒリズム

■Good Nignt And Good Morning / Graham Bonnet
ブラックモアズ・レインボーのvo、ロニー・ディオの後任として知られるグラハム・ボネットは、60'sにはマーブルズのメンバーとして"Only One Woman"をヒットさせています。79年にレインボーに加わったこの異色の短髪のハイトーンなvoは、レインボーのアメリカナイズされた音づくりと合い、"Since You Been Gone"のヒット(#6UK/#57US)も生まれましたが、リッチー・ブラックモアとの確執もあって「All Night Long」1枚で脱退、コージー・パウエル(ds)と共にマイケル・シャンカー・グループに参加しています。
さてハードロックだけでなく何でもこなすボネットの特質は、77年にリンゴ・スターのRing-Oから出した「Graham Bonnet」でよく表れています。ディラン、ホール&オーツ、シレルズ等カヴァー中心の選曲。バックはマイケル・ジャイルズ(ds)、デイヴ・マーキー(b)、ミッキー・ムーディーとコリン・ギブソン(b)とテリー・ポップル(ds共に元スナフー)、キャスリン・ハウ(vo)らが参加した本作は、リリース時点でレインボーとは何の関係もないのですが(だからリーゼントのジャケットのイラストには「スーパー・ニヒリズム」という邦題が)、ホワイトスネイクに加わるムーディーの参加は何かの縁をやはり感じます。この"Good Night And Good Morning"は、とてもハードロックvoが歌う曲ではないのですけど、ホール&オーツのデビュー作に収められていたもの。ママス&パパスのデニー・ドハティのカヴァーもあります。

レインボー脱退後MSGに参加するまでソロ「Line Up」から"Night Games"をヒットさせています(#6UK)が、このLPもヤング&ムーディー(ミッキー・ムーディーとボブ・ヤングが組んだデュオ)、ロネッツ、ラス・バラード(アージェント時代の"Lair")、更にキンクスの"Set Me Free"とこれまたヴァラエティに富み過ぎ。MSGでは短命に終わりその後結成したアルカトラスでイングヴェイ・マルムスティーン(g)、スティーヴ・ヴァイ(g)なんて人を世に出した…なんて事は僕が言う事ではないなあ。