ピンク・フロイド

Dark Side of the Moon

Dark Side of the Moon

■Dark Side Of The Moon Experience Edition:Pink Floyd
レココレ10月号でも特集を組んでいる「狂気」の最新エディションを何となく購入。そういえばフロイドに限ってはらんさんに焼いてもらった「Echoes」のベストぐらいでリマスター云々は未体験だったっけ。今回の2枚組は1枚に最新リマスター。2枚目に74年11月のウエンブリーでのライヴが収められています。BBCでOAされたというこの2枚目はマニアの間では有名な1枚らしいのですけど未体験。まるごと「狂気」の世界です。
「狂気」そのものは72年頃からステージで演奏され、初期ヴァージョンは完成されたスタジオ盤とはずいぶん印象が異なるスタイルだったらしいが、この74年11月はすでにLPも大ベストセラーとなり、演奏もずいぶんこなれてる印象。メンバーはロジャー・ウォーターズ(b,syn,vo)、デイヴ・ギルモア(g,vo)、リック・ライト(kb,syn)、ニック・メイスン(ds,perc,syn)の4人に、ヴェネッタ・フィールズ、カーリーナ・ウィリアムスのブラックベリーズの2人そして、2曲にディック・パリー(sax)が参加。このコーラスが一つの胆でかなりゴスペルなムード。レココレ10月号で珍しく和久井氏がいいことを書いてるが、いわく同時代のアメリカのルーツ・ロックのダイナミズムを取り込んで、アメリカのチャートを狙えるバンドを目指した、というくだり。言い換えれば「売れ線」なのだけど、ここでいう当時の「売れ線」は今の耳ではずいぶんヒップなものだったのだ。"The Great Gig In The Sky"とラストの"Eclipse"でのブラックベリーズのコーラスは本格的なゴスペル・ファンクでスタジオ盤よりもエモーショナル。今回ライヴ・ヴァージョン初体験で一番気になったのはその点。それまであまり好きではなかった"Money"もライヴでは、泥くさいブギになっていてなかなかかっこいい。こりゃアメリカで売れるのも文句ない。

初期ヴァージョンの"Time"