アメージング・グリース

■Amazing Grease:Graese Band

THE GREASE BAND & AMAZING

THE GREASE BAND & AMAZING

もちろん"Amazing Grace"のもじりです。ジョー・コッカーのバック・バンドとして知られた(ウッドストック出演も)グリース・バンドは同時に英ロックをささえた有能なセッション・ミュージシャンの集まりでもありました。コッカーのセカンドで共演すると、コッカーの元を離れロンドン・キャストの「Jesus Christ Superstar」のバックをつけ、71年に英Harvest/米Shelterより「Grease Band」でデビュー。英スワンプの傑作とされる1枚です。メンバーは元ジューシー・ルーシーのニール・ハバード(g)、元ゴールデン・アップルズ・オブ・シンのアラン・スペナー(b,vo)、元スウィーニーズ・メンのヘンリー・マックロウ(g,vo)、そしてブルース・ロウランド(ds)の4人。クリス・ステイトン(kb)は変名で参加していました。アルバムデビューしたものの、マックロウがウィングスに参加しバンドは活動休止、ロウランドはロニー・レインのスリム・チャンスやフェアポート・コンヴェンションに、スペナーとハバードはココモに参加しています。
どういうわけで75年にセカンドが出たのか今となってはわかりませんが、それぞれのバンドをこなしながら(マックロウは当時すでにDark Horseとソロ契約を結んでいたのかも)、Decca傘下のGoodearからリリースされたのがこの「Amazing Grease」。dsはココモのテリー・スタナードが叩いてるものあったり、そのココモのメル・コリンズ(sax)やミック・ウィーヴァー、クリス・ステイントン(kb)が参加。音は基本的に変わらない米南部志向の英国ロックですが、ザ・バンド的な哀愁が後退し、パブロック的な味わいが前面に出ています。ディランのカヴァー"New Morning"は絶好調。ファンキーな"Dwoogie"はゴンザレスを思い出したりもします。"Blue Monday"はファッツ・ドミノのカヴァーでデイヴ・エドモンズもやってました。これなんかもろパブロック。"Wild Side Of Life"というタイトルでも知られる"Honky Tonk Angel"は昔から好きな曲。映画「ブルージーンズ・ジャーニー」でサリー・ケラーマンが歌ったやつ。