エヴリ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー

■Every Picture Tells A Story:Rod Stewart

Every Picture Tells a Story

Every Picture Tells a Story

71年のソロ第3作。Mercury時代は古式ゆかしい英国ロックのフォーマットにのっとったものだということに改めて感じる次第。とりわけフォーク・ロック的側面にはびっくりするとともに再確認。例によってロン・ウッド(g,b)、イアン・マクレガン(kb)のフェイシズ勢、マーティン・クインテットン(g)、ミック・ウォーラー(ds)、ピート・シアーズ(p)、ディック・パウエル(vn)のおなじみから、リンディスファーンのレイ・ジャクソン(mand)、ペンタングルのダニー・トンプソン(b)、ブロッドウィン・ピッグのアンディ・パイル(b)、サム・ミッチェル(slide)といった新顔まで参加。タイトル曲はアコギをベースにしたフォークロックながら熱いソウルを感じさせる白いR&B。マギー・ベル(vo)も参加。さらに"Seems Like A Long Time"では恩師ロング・ジョン・ボルドリーとベルが再びvoで加わったゴスペル風のナンバーでこれまた素晴らしい。アーサー・クルダップの"That's Alright"から"Amazing Grace"へつながるメドレーではミッチェルの生スライドを大きくフィーチャー。ウッドのsteelの入ったカントリー・ロック"Tomorrow Is A Long Time"はディラン作でしみじみさせられる。B面では#1USとなった"Maggie May"から。この曲もよく聞くとスタイルはフォーク・ロックだ。太いbassが印象的。このシングルのB面がティム・ハーディン作の"Reason To Believe"でこちらも#61まであがるヒットとなった。レイ・ジャクソンのmandをフィーチャーした"Mandolin Wind"も素朴なフォークロックで、ウッドのsteelが聞ける。かなりの名演。"I'm Losing You"はテンプテーションズのカヴァーでフォーキーな本作ではやや浮いているか。