森田芳光監督の死の・ようなもの

家族ゲーム」「失楽園」などで知られる映画監督の森田芳光(もりた・よしみつ)さんが20日午後10時15分、急性肝不全のため東京都内の病院で死去した。61歳。東京都出身。(中日スポーツ紙面より)

あまりにも唐突な死だった。「(ハル)」を見てPCを買った経験がある僕にとってこの人は、まず「(ハル)」の人。コミュニケーションのあり方を考えさせるエポックメイキングな作品、とは当時のノートに記した言葉だけど、映画は現在のメール全盛の時代を読んでいたわけだ。あとデビュー作の「の・ようなもの」のさわやかなそしてどんくさい主人公の若手落語家がよかった(伊藤克信そのものはさわやかでもないのだけど)。気鋭の若手がいつの間にかいろんなタイプの作品をこなすヴェテランの職人になっていた、という印象は「阿修羅のごとく」や「椿三十郎」のリメイクを見たとき。後者は作る前から負け戦がわかっていたような作品だけど、それなりに見せるのはやはり職人技だ。ご冥福をお祈りします。

「の・ようなもの」の主題歌は浜田金吾作のAOR。尾藤イサオの歌がいい。