究極

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■Going For The One:Yes
プログレの邦題は難しい熟語と決まっていたわけではないけど、なんとなくその方が知的なイメージがするのかそういうのが多かった。77年はプログレ御三家がそろって久々の新作を出した年で、ソロを交えた2枚組でお茶を濁したELP、古い曲を改題して焼き直しながらどうしても重い印象がぬぐえなかったフロイドに比べると、ジャケットをロジャー・ディーンからヒプノシスに変えイメージチェンジを図ったイエスは音的にはあまり変わりなくファンタジックでシンフォニックな音が小品と大作をいいバランスで並べた佳作でした。衣装のヒラヒラ度ハリック・ウェイクマン(kb)の復帰で大幅アップ。見た目は昔から逸脱してましたが演奏はさすがにしっかりしています。ウェイクマンの弾くchurch-organが、いわゆる黒人音楽からの影響を一切感じさせない白人の白人による白人のためのロック=プログレという構図を浮かび上がらせますが。
タイトル曲"Going For The One"ではスティーヴ・ハウがsteel-gというクレジットあるけどこれはlap-steelかな?大作の"Awaken"は、高みに高みに登ってゆくようなジョン・アンダーソンのvoが圧倒的ですが、パートによって様々な表情を見せる曲の構成も緻密(とりわけ最後のパート、エンディングのハウのgは本当に美しいフレーズを弾く)。シングルになった"Wonderous Stories"はこのバンドでしかできない少女趣味なもの(誉めてます)。