BBC Radio 1967-1971

BBC Radio: 1967-1971

BBC Radio: 1967-1971

12009■Soft Machine BBC Radio 1967-1971(Hux:HUX037-UK)

DISC1
(1)Clarence In Wonderland (2)We Know What You Mean (3)Certian Kind (4)Hope For Happiness (5)Strangest Scene (6)Facelift〜Moucetrap〜Noisette〜Backwards〜Moucetrap Reprise (7)Moon In June (8)Instant Pussy (9)Slightly All The Time〜Out Bloody Rageous〜Eamonn Andrews
DISC2
(1)Virtually (2)Fletcher's Blemish (3)Neo-Calibian Grides (4)Dedicated You But You Were'nt Listening (5)Eamonn Andrews〜All White (6)Moucetrap〜Noisette〜Backwards〜Moucetrap Reprise〜Esther's Noise Job


ソフト・マシーンの活動は大きく4つに分かれる。まずはワイルド・フラワーズ〜デイヴィッド・アレン・トリオからソフト・マシーンを名乗り、Probeからデビュー作「Soft Machine」('68)をリリースする時期。すなわち、デイヴィッド・アレン(g)、ケヴィン・エアーズ(b,g,vo)、ロバート・ワイアット(ds,vo)、マイク・ラトリッジ(kb)の4人からアレン抜きの3人の時期。根底にあるのはサイケデリックで、エアーズとワイアットのとぼけた歌をフィーチャーしている。
03年にHuxから出たBBC音源集前半は、珍しいこの時期の音源でスタート。(1)〜(5)は67年12月の第2期マシーン(エアーズ=ワイアット=ラトリッジ)によるもので、(1)(2)はエアーズのソロ曲というのも面白い。(4)ではラトリッジのサイケなorgをたっぷりとフィーチャーしている。
デビュー作リリース後エアーズが抜け、バンドは一旦解散。Probeの要請で再結成されたマシーンは、ラトリッジ、ワイアット、ヒュー・ホッパー(b)の3人でワイルド・フラワーズ時代のメンバー、ブライアン(ヒューの兄)もsaxで参加。この2枚目「Volume 2」('69)もサイケの残り香があるが、ホッパーの参加でジャズ寄りとなっている。
この後、エルトン・ディーン(sax)、マーク・チャリグ(cor)、リン・ドブソン(fl)、ニック・エヴァンス(tb)のブラス・セクションを加えて「Third」('70)が録音されるが、その直前に、「Third」の曲を3期メンバー+ブライアンでやったのが(6)。なんともノイジーなラトリッジのorgがカッコイイ。これがディーン以下のメンバーが参加するともっとジャズ=フリーキーになってしまうのだけど、ここでは十分ロック=サイケデリック寄り。キャラヴァンがカヴァーする"Backwards"の一節をも含む。69年6月の録音。続いてブライアン抜きの3人でワイアットの代表曲(7)。これも「Third」のナンバー。ほぼ同じ時期(11月)の録音(8)は、マッチング・モールの1枚目に収録されるもので、ワイアット一人の演奏。
ディーンが加わり「Third」の4人となった(9)はそのアルバムからの面をまたいだ長いメドレー。思えば「Beat Club」の演奏を聴いて悪くないなと思ったのがこの時期のマシーンへの覚醒だった(ただし3枚目のみ)。70年5月録音。さらに遡った69年11月には(6)の別verともいえる[2](6)が録音。

さてディーン以下のホーンズは、結局ディーンのみが残り、傑作「Third」のあと、よりジャジーな「Fourth」をリリース。このジャズ色濃い時期を第2節としよう。「Third」ではワイアットの歌うナンバーがあったが「Fourth」では、ディーン=ホッパーが前面に出てすべてインスト。フリージャズ色が濃いのは、ディーンの影響だろう。ワイアットが抜け、フィル・ハワードとジョン・マーシャルがdsを担当した「Fifth」('72)までこの時期に入れたい。

後半戦はこの「Fourth」からの(1)(2)でスタート。70年12月録音。まあこの2曲は飛ばしてもいい。71年6月には次の3曲を録音。ワイアット一人で録音された(4)は初ソロ「The End Of An Ear」に収録のもの。エコーを利かせたアカペラのコラージュ。

第3節はカール・ジェンキンズ(oboe.kb)が参加した「6」('73)で、すでにホッパーもディーンもおらず、バンドはニュークリアス出身者で占められ、独特の浮遊感をもったミニマル的な音が催眠的でもあった。それがピークに達したのは「7」('73)だろう。
そしてレーベルをCBSからHarvestに移し、アラン・ホールズワース(g)が加わった「Bundles」('75)、ジョン・エサリッジ(g)が加わった「Softs」('76)から解散までが第4節。いわゆるスムーズジャズ的なブリティッシュフュージョン的な音作り。