12064■■めぐりあい('68日本)


監督:恩地日出夫
主演:黒沢年男酒井和歌子田村亮、森光子、有島一郎

傑作「兄貴の恋人」では内藤洋子、酒井和歌子の当時の東宝の2代若手青春スター(死語)が共演していましたが、これは酒井の初主演作。共演は66年のホープといわれた同期の黒沢年男で、またも川崎が舞台の話。工員の黒沢と事務員の酒井のぎこちない恋愛を、昭和40'sらしい王道の青春映画で見せます。時代は次第にTVにシフトしつつあり、東宝撮影所が生んだスター(まだアイドルという言葉はなかった)は、この後古手川祐子沢口靖子斉藤由貴の時代まで途絶えるのです(花の中3トリオが席巻する)。
さてこの辺りの作品は大井町武蔵野館や池袋文芸座で見ましたが、すでにごちゃごちゃになっています。この「めぐりあい」もかつてBSでやってるのを見た事がありました。黒沢の調子良さばかりが印象に残ってましたが、酒井和歌子の髪型はさすがに古臭いです。ローレグの水着は当時としてはずいぶんなサービスショットだったのかも。
トラックの荷台で雨の中泣くシーンはヌーベルバーグっぽいといわれてますが、アイドル映画の巨匠、恩地監督ですもの、誤解でしょう。それでもいくつかハッとさせられるシーンあり。喜八組の中山豊、小川安三もちらりと顔を出します。酒井の弟役の池田秀一は、後に声優となりシャア・アズナブルを演じた人だそうです。