ムーンフラワー

■Moonflower:Santana
70's後半のサンタナといえば、泣きのgをたっぷりとフィーチャーした歌謡ラテンロック的なもの、ヒットを狙うためと割り切ったポップ・ロック、従来の強烈なラテン・ロック、とこの3タイプが上手く住み分けられたスタイルでした。とりわけ日本で大ヒットした"哀愁のヨーロッパ"(Europa)を含む「Amigos」('74)あたりからこの路線が根付いた感じ。77年に出た「Moonflower」('77)はスタジオ録音とライヴがミックスされた変則的な作品で、この手法がとても中途半端ながら、アルバムとして絶妙な印象となっているあたりがおもしろい。"Dance Sister Dance"は前半が熱いラテンロックで、英語とスペイン語で歌われ、熱っぽいgソロの後、クール・ダウンさせるようなトム・コスターによるsynソロが印象的。