★★BURRITO DELUXE− Flying Burrito Brothers (’70)

Burrito Deluxe

Burrito Deluxe

フライング・ブリトウ・ブラザーズ(昔はブリトウじゃなくバリット表記でしたが、ちなみにブリトウとは、トルティーヤを使ったメキシコ料理)は、バーズのカントリーロック化の原動力となった、グラム・パーソンズとクリス・ヒルマンが、脱退後結成したカントリー・ロック・バンドです。

バーズの「Sweetheart Of The Rodeo」が画期的だったのはカントリー・ミュージックと言うある種旧態然とした、「大人の音楽」の要素をロックという「小生意気な若造の音楽」に取り込んだ点でした。そこでの融合は、どっちかというとフォーク〜カントリー音楽の古典をロック的な解釈でやっているという学究的なムードでしたが、ブリトウズでは、カントリーの花形楽器であるペダル・スティール・ギターをノイジーに歪ませるという手法も取り、歌詞にはLSDやらヒッピーと言う単語が出てくる次第。そのファースト「The Gilded Place Of Sin」('69)に続く、「Burrito Deluxe」では、パーソンズ(vo,g)、ヒルマン(g,mandolin,b,vo)、スニーキー・ピート・クレイナウ(steel)の3人(クリス・エスリッジ(b)は脱退)に、元バーズのマイケル・クラーク(ds)と元ディラード&クラークのバーニー・レドン(g,mandolin,vo)を加え、よりロックンロールっぽい世界を展開しています。

後に加わったイーグルスでも初期にはレパートリーだった”Lazy Days”やキース・リチャーズとの交流から生まれたストーンズの”Wild Horses”のカヴァーがいいです。またディランの未発表曲(フェアポート・コンヴェンションやマンフレッド・マンがカヴァーした)"If You Gotta Go Go Now"をやってるのもうれしい。

知名度では前作にはかないませんが、長らく入手困難だったFBBのアルバムの中で比較的入手が楽だった(77年にキングより再発)事もあって、個人的にはなじみ深いです。

原盤 A&M:SP4258 70年4月リリース