★★★MAGNETIC SOUTHーMichael Nesmith & The First National Band ('70)

Magnetic South / Loose Salute

Magnetic South / Loose Salute

今ではマイケル・ネスミスがカントリー・ロックの始祖の一人と評価されてますけど、日本では80'sぐらいまで、元モンキーズのメンバーとカントリー・ロックがうまくつながらなかったようで、リンダ・ロンシュタットのライナーで、(リンダがソロ以前にいた)ストーン・ポニーズのヒット”Different Drum”(悲しきロックビート)の作者のネスミスがモンキーズのメンバーということが驚き、みたいなコメントが載ってました。

モンキーズそのものは詳しくないんで、モンキーズ時代のネスミスがどこまでカントリー・ロック志向だったのかよくわかりませんが、脱退後70年にファースト・ナショナル・バンドを組んでリリースしたこのアルバムは、ポップという面ではとても充実した楽曲ばかり。レッド・ローズ(steel)を前面に出したそのサウンドは、文句なしに楽しめるもので、これまた後期バーズ、FBBなどとは肌触りを異にします。いちばん近いのは初期のポコかな。南カリフォルニアらしいメロディアスなカントリー・ロックは、ポップロックがカントリーの意匠をまとっているような印象も受けます。
”Calico Girlfriend”のイントロから、わくわくするような感じ伝わってきます。

ジョン・ウェア(ds)、ジョン・ロンドン(b)、アール・P・ボール(p)といったセッション・ミュージシャンのそつのない演奏も光ります。

原盤 RCA:LSP4371 70年6月リリース。