アードヴァーク(Aadvark)

アードヴァーク(紙ジャケット仕様)

アードヴァーク(紙ジャケット仕様)

アードヴァークはもともとの意味は、ツチブタという動物だけど、そのスペル(aadvark)から、「始まり」みたいなスラングがあって、「from aadvark to zymurgy(ツチブタから醸造学まで)」となると最初から最後までといった意味らしい。さて英デッカのアンダーグラウンドなレーベル、デラムの傘下にあったノヴァは、更に非商業的な音を出すバンドをリリースしていた。70年の唯一のアルバム「Aadvark」は近年ユニバーサルから紙ジャケで出たけど、その昔は廃盤専門店で知られたエジソンが立ち上げたレーベルからリリースされていた。gなしのkb、vo、ds、bの4人組で、いわゆるオルガンロック。プログレというよりは、サイケデリックの範疇にあった音で、歪んだノイジーなorgの音が暴力的なトーンもあってなかなか印象的。70's初めには特にイギリスでこういったorganを聞かせるバンドはそれこそ掃いて捨てるくらいあったが、忘れるには惜しい。
"Put That In Your Pipe And Smoke It"は、パープルの"Space Truckin'"の元ネタでは?と思わせるインストで暴走するbassといい、いくらかやけくそ気味。voのデイヴィッド・スキリンという人はあまりうまくないが、歌ものも悪くない。orgのスティーヴ・ミリナーはそのあふれる才能を、伸ばすことが出来なかった。残念。