⑤■ヘルハウス(’73英)

監督:ジョン・ハフ

エクソシスト」の大ヒットで日本にもオカルト映画のブームが来ました。同じころ封切られた(死語ですね、これ)「ヘルハウス」は派手さがなく、冷え冷えした怖さがありました。よく考えれば、悪魔祓いと幽霊屋敷、ジャンルが違うのです。原作はリチャード・マシスンの同名小説で脚本も担当。
まさに幽霊屋敷な外観のベラスコ邸が、まずいいムード。黒猫がよぎったり霧が出てたりとムードを盛り上げます。日付と時間がクレジットされ、リアル感が増すします。クライヴ・レヴィル演じる物理学者が何故この屋敷の調査を命じられたのか説明されませんが、霊魂の存在を信じずに科学的解明しようとした挙句、非業の死を遂げます。子役として活躍していたパメラ・フランクリンの美しさはこの映画の格調を高めています。この種の映画にはかつて「たたり」という秀作がありましたが、格調高さは、「たたり」の流れをくんでいます。ジョン・ハフ監督は、B級アクションの快作「ダーティー・メリー・クレイジー・ラリー」を撮った人です。