⑭■Tomorrow明日 ('88日本)

監督:黒木和雄

黒木和雄監督の戦争レクイエム3部作の第1作です(「美しい夏キリシマ」、「父と暮らせば」と続きます)。45年8月9日11時2分の長崎原爆投下までの24時間を、市井のある家族を通して描いた群像劇です。僕の中で反戦映画といえば、まず「肉弾」かこれです。南果歩佐野史郎の結婚式を中心に姉、桃井かおりの出産、妹、仙道敦子と恋人、岡野信一郎の赤紙召集、佐野の友人黒田アーサー(娼婦、伊佐山ひろ子がいい)、佐野の継父で写真屋田中邦衛、桃井の叔父で市電の運転手なべおさみ入江若葉夫妻のそれぞれのエピソードなどをうまくまとめています。原作は井上光晴の「明日-1945年8月8日」。