■黒衣の花嫁('67仏)


監督:フランソワ・トリュフォー
トリュフォー自身思い出したくもないと語り、山田宏一さんの「映画読本」でもあっさりと片付けられた、"凡作"の1つですけど、個人的にそんなに悪いとは思わない。
フィアンセを偶然から殺された女性の復讐譚です。確かに昼間のシーンが多いので、急に老成したジャンヌ・モローの衰えた容姿ばかりがクローズアップされるのと、ファム・ファタールぶりがあまり感じられないのですが、音楽にバーナード・ハーマンを起用したり、いきなりのヒッチコック調の演出にニヤリ(原作は「裏窓」のコーネル・ウールリッチだし)。原作とはちがったラストもいい。僕は原作で参ったクチでした。