■フレンチ･コネクション('71米)

監督：ウイリアム･フリードキン
NYを舞台に麻薬課の刑事と密売組織の争いを当時としては異例のスピード感で描いたアクション傑作です。ジーン・ハックマン演ずるドイル刑事は、犯罪アクション映画における刑事像（いわゆるアウトロー型）を大きく変えた存在でした。フランスから来た密売組織のボス、フェルナンド・レイと相棒の殺し屋、マルセル・ボズフィが、イタリアレストランで豪勢な食事を取るのに対し、凍てつく屋外で張り込むハックマンはハンバーガーとコーヒー。ハックマン暗殺に失敗したボズフィが高架線の電車で逃げるのに対し、ハックマンは高架下の道路をフルスピードで追いかける、といった対比があざやかでした。
NYロケが臨場感たっぷりで何気ない街の息吹が素晴らしいイタロ･アメリカン街にあったレストランなどの風俗もさらっと書かれているが実は深いのです。ラストでは事故とは言え、FBIの刑事を撃ってしまう後味の悪さ、唐突なエンディングもあの時代ならではですね。コンビを組むロイ・シャイダーの影はどうしても薄いのですが、シャイダーを主演にした「セブン・アップス」と言う刑事アクションものもありました。
クラブのシーンでブレイク前のスリー･ディグリーズも登場。