【雨の歌】Rainy Day Friend / Kenny Vance

ケニー・ヴァンスは元ジェイ&アメリカンズのメンバーで、オールディーズ感覚にあふれた傑作「Vance32」をAtlanticに残しています。「名盤探検隊」がなければ出会うことがなかった1枚です。ジェイ&アメリカンズというと、"This Magic Moment"のヒットで知られる白人のドゥ・ワップ・グループで、末期にはスティーリー・ダンのベッカー=フェイゲンもいたことで知られています。解散後の75年に出たのが、このヴァンスの初ソロで、どれもがストリート・コーナー・シンフォニーと呼ばれたドゥー・ワップへのリスペクトに満ちています。このジャンルに特に詳しくないけれど、たまに聞くと本当に素晴らしく、心に染み入ってきます。
"Rainy Day Friend"は、単独CD化される前に、イーストウエストから出た長門さん監修のソフトロックのコンピに前哨戦として収められていたもの。硬いgのイントロに続いて温かみのあるやさしげなコーラスが実にいい。このアルバムにはもう1つ目玉があって、"Looking For An Echo"という自伝的な内容の泣かせるナンバーがそう。音楽聴いてて思わず鳥肌がたつという感覚を忘れたときに、この曲を聞くと思い出します。
https://www.youtube.com/watch?v=UNoGHKnq6Mg