【水曜の女たち】ケリー・ウィリス

「カントリー・ロック」はすごく乱暴に言えば、バーズの「ロデオ」と共に誕生して、70's初めにはロックのトレンドでした。その波はヨーロッパや日本にも飛び火したけど、ロックが商業主義に飲み込まれた70's後半にはすでに時代遅れなものとなり、80'sには一部の好事家、もしくは研究家の間の趣向品でした。ただ90'sに入って、若手バンドの70's指向があらわになると、ルーツ音楽にリスペクトしたロックの一ジャンルとして再評価。その1つが、オルタナ・カントリーと呼ばれた連中でした。前置きが長いですけど、カントリー・ロックが衰退したといわれてた80's、僕は代用品として「カントリー」を聞いてみようといろいろ試みたけど、やっぱりピンときませんでした。カントリーとカントリー・ロック、その両者はやはり似て非なるものでした。

ケリー・ウィリス(Kelly Willis)は、ナンシー・グリフィスに見出されて90年にMCAからデビューした人。そのMCA時代は、いわばカントリーとしてのケリーで、何枚か聞いてみたが(中古屋の試聴機だが)、どうもダメでした。一方ライコから出た「What I Deserve」('99)は、オルタナ・カントリー的な味わいをもった、いわばカントリー・ロックな好盤でした。名曲”Not Forgotten You”はいいメロディです。美人だし。

https://www.youtube.com/watch?v=2gqU1REPWJo