【名曲リレー57】midnight#3
■Midnight Rocks / Al Stewart & A Shot In The Dark
アル・スチュワートというと、英フォーク・ファンにはCBS時代の作品が人気ですが、ラジオから流れた"Year Of The Cat"に夢中になった世代としては、まずはリアルタイムなRCA時代です。79年7月の来日公演は、その少し前にやってきたイアン・マシューズ同様、久々の英国からやってきたssw(音はアメリカナイズされていましたが)として、プレスの評はおおむね好意的でした(愛の吟遊詩人対決とか言われてた)。そこでバックをつけていたのは、ショット・イン・ザ・ダークでした。映画ピンク・パンサー・シリーズの前日譚ともいえる「暗闇でドッキリ」の原題をバンド名にした、A Shot In The Darkは、アル・スチュワートのバックをつとめていたアコギの名手、ピーター・ホワイト(g)を中心とした5人組で、ナチュラル・アコースティック・バンドのクリシア・クリスティーナ(≒クリシア・コクジャン)(kb,vo)、バイザンティウムのロビン・ランブル(b)、アダム・ユアマン(g)、ブライアン・サヴェイジ(sax,fl)がメンバーです。80年にRSOからバンド単体としてもデビューしましたが、フリートウッド・マック・タイプの男女voのポップ・ユニットとして僕は結構面白かったのですが、間もなく解散しています。
さて「Time Passage」に続く「24 Carrots」は、過去の出来事に題材を借りたおなじみの「吟遊詩人」ぶりで、テーマは冷戦下のスパイから17世紀の移民の話まで幅広いです。音は今となってはありふれた感じのポップですが。"Midnight Rocks"は、アルとクリシアのデュエットでうたわれるナンバーで、シングル・カットされて#24まで上がったロマンティックなナンバー。後半のサヴェイジのsaxはお約束です("Year Of The Cat"のヒット以来シングル曲には必ずsaxが入ってます)。