【名曲リレー85】back#3

■Don't Look Back / Boston

ボストンは、70's後半のアメリカのティーネイジャーには避けては通れなかった存在だろうなあ、と今になって思います。遠く離れた日本でもこの2枚目「Don't Look Back」のリリースを首を長くして待っていた少年がいっぱいいたはず。76年のデビュー作は「幻想飛行」という、シングル"More Than A Feeling"が"宇宙の彼方へ"という邦題が付いたこと、ギター型宇宙船のジャケット、折からのSFブームに乗ってそういうイメージで日本では売られたけど、歌詞の内容などから、小難しい事のないシンプルなロックンロールバンド、覚えやすいメロディーのハードロックバンドでした。ただ黒人音楽からの影響がほとんど見られない、新しい世代のメロディアスなハードロック。リーダーのトム・シュルツの考えに考えた緻密なギター・ロックは、非常に白人的でクリーンなイメージ。猥雑な感じ、ロックンロールの持つ危険な魔力はなく、親子で楽しめるロックコンサート的な明るいイメージがあります。ショルツと言う人は、LP時代から音響、音質に過剰なこだわりを見せた人(「No Synthsizer,No Computer Uses」のクレジットは有名)らしいです。当時の日本盤LPのライナーもサウンドチェックに言及した部分が多かったです(ファーストのライナーでいまいずみひろし氏が、これからは文系〜アートスクール出身のミュージシャンよりも理系のミュージシャンが増えてくる、と言う記述は、来たるべくテクノの時代の予言だったと思います)。
"Don't Look Back"は、ギュワ〜ンというgのリフが広がりのある空間に伸びてゆく様が今もって気持ちいいのです。個人的な聞き倒し度ではファーストよりもセカンドの方が上でした。

https://www.youtube.com/watch?v=3VPLOVJ0u94